昨日の続きですが、所有者責任で多額の損害賠償。空き家を放置して周囲に損害を与えた場合、所有者にはどのような法的責任が生じるのでしょうか。
除雪をしなかったために起きた事故です。少し古い判例です。(金沢地裁昭和32年3月11日判決)
空き家の屋根の雪が崩落、臨家の柱が倒壊し、就寝していた臨家住民が圧死。家財も損壊した事故です。金沢地裁は、事故が建物所有者が除雪などの適切な雪崩防止策を講じなかったために生じたと判断しました。
建物所有者の工作物設置と保存の瑕疵による民法717条の責任を認めた判決が出ました。賠償額は建物・家財の損壊や死亡した住民の葬儀費用など合計68万円でした。大卒の初任給が1万円の時代です。